ゴルフ場でジーンズが禁止されているのはなぜ?
ゴルフ場のドレスコードで、クラブハウスはもちろんラウンド中だとしても「ジーンズが禁止」されているのは広く知られています。
でもファッションとして世界的に浸透しているジーンズは、なぜゴルフ場で禁止されているんでしょうか。
チノパンなどは大丈夫なのに、ジーンズが禁止されているのはちょっと納得がいかない人もいるかもしれません。
ゴルフ場でジーンズが禁止されている理由を紐解いていきましょう。
ゴルフの起源は貴族の社交場!ドレスコードはそこから始まった
ゴルフの発祥については諸説あって、羊飼いの遊びだとか、中国の宮廷で行われていた球技だとか、どれが本当なのかははっきりしない、というのが定説のようですね。
ただゴルフ発展の元となったのがスコットランド王家です。そのスコットランド王家の家訓に注目してみましょう。
「相手に敬意を払い、周囲に不快感を与えない服装こそ“作法”の第一と知るべし。服装は自分のために非ず、相手に対する心の底からの礼儀なり」
なにやらちょっと難しい感じがしますが、要約すると「周囲に不快感を与えない服装こそが作法。服装は自分のためにするものではなく、相手に対する礼儀なんだよ。」というもの。
自己主張としての側面があるイメージの強いファッションですが、当時のスコットランド王家では服装も礼儀作法として考えられていたんですね。
ちなみにこの頃のゴルフは、男性は襟付きシャツにネクタイを締めてジャケット着用、女性ならフリル付きのブラウスにロングスカートを着用してゴルフをプレーしていたそうです。
ドレスコードが少し緩くなって世界中に浸透
そしてゴルフが世界に広まっていく途中で「さすがにジャケットやネクタイは勘弁してくれ」という流れになって、せめて襟付きシャツだけでも残そう。ということで現在のドレスコードの原型になったと言われています。
だからゴルフのドレスコードは堅苦しいとか面倒くさいものではなく、逆に緩くなった結果現在のドレスコードになっているんですね。
ジーンズの起源を考えるとゴルフウェアとしてNGな理由が見える?
さて、それではゴルフの服装の歴史が分かったところで、次にジーンズの起源を見ていきましょう。
ジーンズはアメリカ発祥で、ゴールド・ラッシュという川で砂金を掘りあてて一攫千金を狙う人たちが増えていた時代背景が関係してきます。
金を探すときに丈夫で長持ちするズボンが必要となって、テント生地をズボンに仕立てたのがリーバイ・ストラウス(ジーンズでは誰もが知るブランド、リーバイスの創設者)なんですね。
そう、ジーンズは金を探すときの「作業着」として生まれたわけです。
ゴルフは社交場としてスタートし、その社交場には相手に敬意を払って失礼のないように、というドレスコードがあります。
社交場に作業着で来るのは失礼にあたる、というのがジーンズがゴルフ場で禁止されている理由。同様にゴルフ場ではマチのついたカーゴパンツが禁止されているのも納得です。
服装は自分の為に非ず、相手に対する礼儀なり
なぜか人間って禁止されていることをやりたくなってしまう人もいるもの。
一般的にファッションだからいいじゃないか、ゴルフが生まれた背景なんて時代遅れ。なんて声が聞こえてくるかもしれません。
でもゴルフが発展したきっかけとなったスコットランド王家の言葉を借りるなら、服装は自分のためではありません。相手(他メンバーやゴルフ場)に対する礼儀として、ドレスコードを守ってゴルフを楽しみましょうね。